原則①で得意な1教科を作ることを決め、原則②で200時間くらいはじっくりと勉強しようと決めたキミへ、最後のポイントをお伝えさせてください。それは、「自分が理解できるレベルから始めよう」ということです。志望大学の背伸びは大いにやってほしいですが、勉強し始めるレベルは絶対に背伸びしてはいけません。これは、自分が高校生当時失敗したことでもあります。
キミには同じ失敗をしてほしくはないのでここで強く伝えておきます。(まあ、自分で決めて失敗したらそれはそれで教訓にはなりますが。)
高1の夏休み、7月に受けた全国模試があまりにもできなくて英語を勉強しようと思いました。そのときまずやったのが模試の復習でした。しかし、これは今思うと意味がありませんでした。なぜなら、解説を読んでもまるで理解できなかったからです。
当時の自分では、解説がついたくらいでは英語の長文を理解することができなかったのです。
解説もされない簡単な文章がすでに読めませんでした。
愚行を重ねる15歳

それなのにさらに間違いをしました。大学の過去問も載っているハイレベルな文法問題集(頻出英文法・語法1000)と受験生レベルの単語帳(ターゲット1900)を買って勉強し始めました。問題集にある「慶応大」とか「東大」とかの大学名のついた問題を見てすごいことをしているような気になって、文構造すらわかっていなくても当てずっぽうで25%の確率で当たる4択問題でたまたま正解したら偏差値が上がったような気になる、本当に意味のない時間を過ごしました。解説の文字を目でなぞるだけで頭では何も理解できていませんでした。
読むのに時間がかかるうえに読んでも理解できない状態で何ページも進められるわけがなく、すぐに心が折れました。単語帳も同じで、talkも使いこなせないのにconverseを理解して覚えられるわけがなかったのです。結局この夏休みの間のほんの数日以外、この2つの参考書を開くことはありませんでした。
なぜ続かなかったのか

原因は「自分の肌に合わない参考書だった」とかではなく、もっと単純に「自分のレベルに合わない参考書だった・背伸びしていた」からでした。
夏休みを無駄にして何の成長もしないまま9月を迎えたぼくはようやく、自分のレベルをちゃんと把握して、それにあったレベルから勉強を始めることにしました。結果手に取った参考書は中学英文法の本とターゲット1100(当時)でした。(ターゲット1100は中学で習う英単語も半分くらい含まれている単語帳でした)
およそ2ヶ月はこの2冊だけをやっていたと思います。高1だからといって高校レベルの参考書から始めるのではなく、初めて英語を習い始めた中1の内容から積み上げました。高校受験のときに英語の試験がまったくできなかったわけではないですが、中学で習ったはずの「前置詞と副詞の違いは?」など、前提となる定義なんかを全然理解せず雰囲気で問題を解いていたので、身についているとは言えませんでした。だから変なプライドは捨ててここから復習したのです。おかげでこれ以降に使った参考書で「形容詞が~」とか「副詞が~」とか「自動詞が~」とかの説明もちゃんと理解できました。その後の成績の伸びはほかの記事で書いたとおりで、高1の1月模試で偏差値が70を超えました。
自分のレベルに合った参考書とは

自分のレベルに合った参考書とは、「半分は知っているけど半分はまだわからないことが載っている参考書」です。完全に初めて勉強する科目の場合はとにかく易しいと評判のものを選んでください。自分のレベルに合った参考書で勉強するメリットは2つです。
- ちゃんと理解できるから知識が身につきやすい。
- ある程度ページが進みやすいので達成感が得られる。
結局のところ、学力もやる気も効率良く上がっていくよという、「急がば回れ」という話ですね。
逆にデメリットもあります。それは
- 他と比べて低レベルなことをしているんじゃないかと焦る
ということです。でもこれは先にわかっていれば対処できます。
周りと比べた焦りへの対処方法

そもそも他と比べてというのは、進学校に通う人のことでしょうか?偏差値の高い人のことでしょうか?いずれにしても今まで勉強してこなかった人とは積み重ねが違います。だから他の人が自分より難しいことをしているのは当たり前で、比べても意味がありません。大事なのは自分がやるべきことに集中することです。キミが今から勉強を始めるのであれば、低いレベルから始めるのが最短ルートです。それは当然のことだから恥ずかしく思う必要はないし、もし思うのであればささっとマスターしてしまいましょう。
それに、低いレベルと言いましたが実際には全然違います。最初に勉強する内容は「基礎」であり、必ずしも簡単なわけではないし、軽んじていいものではありません。足し算がわかっていないと掛け算もできないように、基礎はとにかく大事です。
少年漫画に修行をしない主人公がいないように、修行をした後に負け続ける主人公がいないように、自分に合ったレベル≒基礎から始めれば、あとでぐんと伸びる土台ができます。最初のうちは、大きな木が育つことをイメージしながら、しっかりと土を耕しましょう。
キミは今、関数と方程式の違い・英語の副詞と前置詞の違いを説明できますか?自信をもって説明できない場合は、中学レベルの復習から始めるのが最短ルートです。