逆転の三原則

原則②成績の伸び方はy=x^2/100

成績の上がり方

これから勉強して成績を伸ばそうとしているキミに、最初に知っておいてほしいことがある。それは、成績の伸び方だ。

勉強を本気でしたことのない人は勉強時間と成績の関係をy=x(yは成績、xは勉強時間)で考えがちだ。つまり、やればやった分だけ着実に成績が伸びていくイメージだ。でも実際は違う。実際にはy=x^2/100のほうが正確だ。

計算してみよう

実際に計算をしてみよう。

x=1時間のとき、y=1/100

1時間勉強しても、想像している1時間分の成果の100分の1の成果しか身につかない。単位を変換すると36秒分だ。
1時間で100個英単語を覚えたと思っても、実際には1個覚えているかどうかというレベルだ。

x=10時間のとき、y=1

自分がイメージする1時間分の学力を得るためには、丸一日勉強する必要がある。
休みの日を丸一日勉強に当てても、せいぜい授業1時間分しか成長していない。

x=50時間のとき、y=25

1週間毎日7時間、学校以外で勉強しても、半分さぼってたんかな?というくらいしか身につかない。

せっかく本気になって1週間やっても想像の半分しか成果が出ないと、自分の勉強のセンスを疑ったり、心が折れたりするかもしれない。

才能の問題ではないから安心して

でも知っておいてほしい。なぜこういうことが起きるのか。これはキミの才能の問題ではなく勉強する上で当然の現象なんだ。ここで諦めて勉強を辞めるのはあまりにももったいない。

大学受験の問題や模試の問題というのは単純な⚪︎×問題ではない。少なくともそういう問題で他の受験生との差はつかない。差がつくのはその教科や単元の知識を総動員して解く問題だ。

点の知識が線になって問題が解ける

勉強し始めたときに身につける知識は点だ。点をひたすら増やす作業をする。

  • 「have+動詞のedで現在完了形」
  • 「rememberは”覚えている・思い出す”」
  • 「solutionは”解決策”」

などなど。1つ1つの知識では”I have remembered the solution.”の意味は理解できないが、3つの知識が頭の中にあるとそれらがつながって線になり、文章の意味が理解できる。そういう線になった知識がさらにどんどん増えると、面白いことが起こるんだ。

さて、成績の伸び方の公式に再度数字を入れてみよう。

x=100時間のとき、y=100

100時間勉強すると自分の想像している100時間分の学力がつく。ここでようやく想像通りの成果がついてくる。

x=200時間のとき、y=400

200時間勉強すると、自分の想像している400時間分の学力がつく。

なんと、100時間以上勉強すると、勉強時間以上に学力の伸びのほうが大きくなるんだ。

その理由は、積み重ねた点の知識が増えると、それらがつながってできる線の数が点の数以上に増えていくからだ。

たとえば、点が3個だとそれらを結ぶ線は3本できる。

  • 点が4個だと線は6本。
  • 点が5個だと線は10本。
  • 点が10個だと線は45本。

こんな感じで点の増え方より線の増え方の方が速い。(数学Aの知識を使うと、点がn個のときの線の数はnC2個ということだね)

ポイント

えぶりの体験談

ぼくの高1のときの英語の全国模試での偏差値はまさにこの成績の伸び方を体現している。

  • 7月…偏差値47
  • 9月…勉強開始
  • 11月…偏差値46
  • 1月…偏差値72.7

おそらく12月ごろから英語の勉強時間が100時間を超えて、積み重ねてきた点の知識がどんどん繋がっていき、1月後半に200時間になる頃には成績が爆上がりしていた。

才能によって係数は変わるけど

このy=x^2/100という公式は人によって微妙に係数は異なると思う。1/00じゃなくて1/80の人は80時間を越えればどんどん成績は伸びていく。自分の場合はもしかしたら1/150くらいだったかもしれない。そういう意味では自分には勉強のセンスがあまりなかったかもしれない。ただ、それでも、勉強を続けたことでどこかで線が一気に増えだすタイミングがきて、学力を上げられた。

というわけで、勉強し始めた人がイメージする成績の伸び方と実際の伸び方の違いを図にまとめるとこうだ。

最初の100時間ほどまでは目に見える結果が想像よりも小さいから、多くの人がここで心折れて諦める。でも逆に、そこを乗り越えた人は自分の想像以上に成績が伸びるのが楽しくなってもっと勉強するようになる。こうして人生をよりよい方向に進めていく人もちゃんといる。

キミにはぜひ、後者の人になってほしい。

成績が急に伸びる快感を知ると、もう人生をよくしていくことを止められないだろう。

ちなみにこの公式はずっと当てはまるわけではなく、体感だが200時間くらいまでの勉強にあてはまる。それ以降は忘れていくことも考慮に入れたもっと地道な勉強が必要になってくるが、200時間までの勉強の経験があれば、辛抱強く勉強を続けることは必ずできるはずだから心配はいらない。

-逆転の三原則